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慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、タバコの煙を主とした有害物質を長期にわたって吸い込むことで肺に起こる疾患の総称です。肺気腫、慢性気管支炎も慢性閉塞性肺疾患に分類されます。
近年は喫煙者が減少していますが、40歳以上の8~9%に見られる比較的身近な病気です。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の原因は?

最大の原因は、喫煙です。喫煙者のうち、15~20%が慢性閉塞性肺疾患を発症します。
煙を吸うことで気管支に炎症が生じ、気管支の狭窄や咳・痰を引き起こします。さらに肺胞が破壊されると、酸素の取り込み・二酸化炭素の排出を担う機能が低下する肺気腫という状態になります。
患者の90%以上が喫煙者ですが、日常的に副流煙を吸ってしまう人に発症することもあります。そのため、喫煙者だけでなく、家族・同僚に喫煙者がいる非喫煙者もリスクが高くなります。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の症状

  • 慢性的な咳
  • 痰がからむ
  • ゼイゼイ、ヒューヒューという呼吸音(喘鳴)
  • 息切れ、呼吸困難

喘鳴は、運動時、風邪をひいた時に強くなる傾向があります。また、階段の上り下り程度で息切れがする場合も要注意です。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の検査

呼吸機能検査(スパイロメトリー)

慢性閉塞性肺疾患では、気道の狭窄により、息を吸うことよりも吐くことが障害されていることが多くなります。
呼吸機能検査では、スパイロメーターという機器を用いて、肺気量などを調べます。

胸部レントゲン検査・胸部CT検査

慢性閉塞性肺疾患の進行の程度などを調べるため、胸部の画像検査を行います。

その他、血液中の酸素濃度を調べるパルスオキシメーター、うっ血性心不全や肺高血圧症を調べるための心電図検査・心エコー検査、運動時の心肺機能を調べる運動負荷心肺機能検査を補助的に用いることもあります。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療

慢性閉塞性肺疾患の治療では、禁煙が必須となります。その上で、以下のような治療を行います。

薬物療法

気管支拡張薬の使用が中心となります。気管支炎を合併している場合などには、吸入ステロイド薬を併用します。
痰がひどい場合には、去痰剤も使用します。

呼吸リハビリテーション

正しい呼吸法を覚えたり、呼吸に必要な筋肉を鍛えるトレーニングを行います。
また、息切れなど症状が起こりにくい日常動作の指導、食事指導も行います。

在宅酸素療法

低酸素血症が進行してしまった場合には、酸素ボンベを用いた在宅酸素療法が必要になります。外出時には、軽量のボンベを使用します。